自宅訪問に行く際、適切な情報収集ができるか?、
環境に対する評価の正確性は?
これらの不安にお答えします!!
記事を読むメリット
・訪問に行く際、事前に情報収集ができるか。
・手すりやなど必要な場所がわかるか。
・退院後、快適に自宅に戻り、独立して生活できるか。
家宅調査とは?
家屋調査とは、退院後に自宅で安全に生活できるかを確認するためにお宅に訪問し、必要に応じて手すりや踏み台などの設置を提案します。
自宅訪問は、事前準備が非常に重要です。
実際に訪問前に身体状況や必要なを確認し、訪問時にスムーズに作業が進められるように準備することが大切です。
確認する場所ごとに経験に基づいたポイントが紹介します!!
自宅訪問するときの事前準備は何をしたらいい?
・家族の介護力があるか、独居なのか。
・介護度の確認
・家屋構造と実際動きを確認。実際の環境で危険な動作がないか確認する。
・自宅内での転倒リスクの高い場所はないか?
まず、自宅訪問をする前に情報収集をしよう!
介護保険や介護サービスの有無
高齢の方であれば、介護度が下りている人が多いので、介護度を確認しておくといいです。
介護度によって、どんな介護サービスを使えるか考えておくと良いと思います。
買い物や掃除は自分でしていたのか?ヘルパーがしていたのか?など、自宅での役割を明確にしておくと元々の行動範囲がある程度わかります。
家屋環境
できるだけ細かく聞いておいた方が良いです。
患者さんや家族に良く質問するのが、「家の中に手すりはありますか?」「手すりはどこにどのように取り付けていますか?」「段差はありますか?」
もっと動ける患者さんは、屋外の情報も聞いておきましょう。
●「買い物へはどのくらいの距離をどうやって行きますか?」
他部署から情報収集しよう!
看護師・介護士から
夜間の排泄状況や薬の管理が患者さん本人でできているのかを聞きましょう。
ケアマネジャーから
家族は介護に協力的か?患者さんの状況を理解しているか?
経済的に裕福でない場合、住宅改修や福祉用具を提案できないので情報収集しておきましょう。
家屋調査に行ったときはどうする?
まず導線を確認
ベッド、トイレ、食卓など移動する範囲を一通り確認しましょう。
実際に動いてもらいどこに手すりがいるかなど安全性を確認します。
手すりがない部分を触って移動している場合は、触った場所に付箋を付け位置を確認。
その後、必要な手すりを考えましょう。
また、屋外にでる方に関しては、屋外での移動・動作を確認しておきましょう。
写真を撮る
患者さんや家族に説明し、室内(場合によっては自宅周辺も)の写真を撮っておきましょう。後で見返したり、ケアマネジャー用の書類作成に使われます。
よく利用するものの高さをはかる
普段よく利用する便座やベッド、椅子、段差などの同線を測定していきます。
玄関で注意することは?
・上り框の高さや手すりの有無を確認し、転倒リスクがあるかを考える。
・ステップや置き手すり、手すり、スロープなどを設置することが考えられる。
・玄関の靴の脱ぎ履きが出来るかを確認する。
・車椅子移動の場合は、スロープの設置を検討する
・上がり框を昇降する際、ふらつきある場合は、手すりを取り付けることを検討。
・古いおうちでは上がり框の段差の高さが40cm以上ある場合があり、踏み台を設置を検討。
・横手すりの高さは、だいたい腸骨稜の高さで、約80cmです。
浴室で注意することは?
・浴室の環境を整える
浴室の床が滑りやすい場合は、滑り止めマットを敷く。
浴槽の深さや出入り口の高さが問題な場合は、手すりや浴槽台の導入を検討する。
・入浴時の体勢は?
浴槽に入る前や出る時、またぐ動作を行う際には、手すりなどを持ち安定した移動ができるようにする。
・福祉用具を考える
入浴補助用具、シャワーチェアなど状態に合わせて考える。
浴室で注意することは?
・手すりの有無を確認する
・廊下の幅を確認する
・屋内の移動方法により、手すりが必要か、歩行補助具が必要かを確認する
・車いすを使用する場合は、廊下幅や方向転換の可否を確認する
リビングで注意することは?
・リビングにどのくらい滞在していたか確認しておく。
・車椅子でリビングに長時間いる場合は、車椅子用クッションを検討。車椅子用クッションをレンタルが必要か検討
・リビングの椅子の高さが立ち上がりが出来るか確認。
・移動の際、狭くて通れない場所がないか確認。
リビングで注意することは?
・床に布団を敷いて寝起きすることを好む方もいるので、床からの起き上がり動作や布団の収納も検討する。
・レンタルを使って電動ベッド設置を検討(要介護度による)。
・電動ベッドでシングルサイズの場合、幅約100cm×長さ約200cmあれば設置可能。
・テレビが見えるかなど考え、枕の位置を検討。
トイレで注意することは?
・リビングや寝室からトイレまでの移動ができるか確認
・便器の高さが通常40㎝程度です。リハビリでも40㎝の高さから立ち上がりができるかどうかを評価する。
家屋調査後はどうする?
家屋調査後に体の状態も併せて移動手段を検討する
伝い歩き、歩行器、車いすなど
どの移動手段かイメージしながらリハビリを行いましょう。
借家の場合や、壁の中に木が入っておらずに手すりが取り付けられない場合は?
手すりが必要なら、ベストポジションバーやたちあっぷなどなら取り付け可能です
借家でも大家さんによっては、手すりの取り付けを許可してくれることもあるので事前に聞いておくと良いでしょう。
他にも福祉用具があるのでカタログを自宅訪問の際に持参しておいて損はないです。
自己負担額は?
だいたいの方は、自己負担は1割です。
ただし、第1号被保険者(65歳以上)で、一定以上の所得(合計所得金額160万円以上で、尚且つ単身で年金収入のみの場合年収280万円以上、2人の世帯で346万円以上の場合)がある方は2割負担になります。
福祉用具には購入とレンタルがあるよ
購入の場合は?
年間10万円、購入費用が支給されます。
入浴や排泄に使用する腰掛け座、腰掛け便座底上げ、などの福祉用具は使いまわすと不潔であるため購入が原則です
レンタルの場合は?
費用の1割か2割が負担になります。
要支援1・2、要介護1はベストポジションバーやたちあっぷなどのレンタルが可能です。
まとめ
この記事では、理学療法士の視点から家屋調査のポイントについて紹介しました。
家屋調査は、場数を踏めば慣れてきますが、初めての場合や数回しか訪問したことがないような場合は不安でいっぱいかもしれません。
でも事前準備をしておけばスムーズに進めることができます。
特に、家屋の環境を事前に確認し、動作を評価しておくことは重要です。
これらのポイントを押さえて臨めば、自信を持って家屋調査に取り組むことができます。