呼吸不全は、肺の機能が低下し、酸素の取り込みや二酸化炭素の排出がうまくいかない状態を指します。
呼吸不全にはⅠ型とⅡ型の2つのタイプがあります。
それぞれの特徴と違いを理解することが大事になります。
今回のポイントは?
Ⅰ型呼吸不全 | 息吸えない Pao2↓ | 息吐ける Paco2 正常 |
Ⅱ型呼吸不全 | 息吸えない Pao2↓ | 息吐けない Paco2 ↑ |
呼吸不全ってなに?
呼吸不全とはうまく呼吸が出来ない病気です。
PaO2が60Torr以下なら呼吸不全と定義されます。
基準値:PaO2 60 Torr Paco2 45 Torr
Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全の違いは?
Ⅰ型呼吸不全とⅡ型呼吸不全は、呼吸機能の低下を指すが、その原因と進行の仕方に違いがあります。
Ⅰ型呼吸不全は、肺の障害によって酸素の取り込みが困難になる状態で、酸素不足が主な問題です。
Ⅱ型呼吸不全は、肺の障害と同時に、二酸化炭素の排出も困難になる状態で、酸素不足と二酸化炭素の蓄積が主な問題です。
Ⅰ型呼吸不全とは?
Ⅰ型呼吸不全は、肺の酸素供給が不十分な状態を指します。
この状態では、体内の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度は通常範囲内です。
つまり、息が吸えないけど、吐くことはできるということです。
Ⅰ型は、Paco2が45以下、つまり息が吐けています。
主な症状としては、息切れや呼吸困難、頻繁な咳、胸部の痛みなどが挙げられます。
また、皮膚の色が青くなるシアンーゼや、指先や唇の紫色の変色も見られることがあります。
Ⅱ型呼吸不全とは?
Ⅱ型呼吸不全は、肺の機能が低下し、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出が十分に行われない状態です。
つまり、息が吸えないし、吐けない状態です。
Ⅱ型は、Paco2が45以上、つまり息が吐けていません。
主な原因は肺疾患や心臓疾患ですが、外傷や薬物の副作用なども関与することがあります。症状としては息切れや呼吸困難、発作的な咳などが現れます。 また、皮膚の色が青くなるシアンーゼや、指先や唇の紫色の発作(シアンーゼ)も見られることがあります。
まとめ
呼吸不全は、Ⅰ型とⅡ型の2つのタイプに分類されます。
Ⅰ型呼吸不全は、酸素不足により肺の酸素交換が十分に行われず、低酸素血症が起こります。
Ⅱ型呼吸不全は、酸素不足と二酸化炭素の蓄積が起こり、低酸素血症と高二酸化炭素血症が同時に現れます。
まとめると、Ⅰ型は酸素不足、Ⅱ型は酸素不足と二酸化炭素蓄積の両方が起こる呼吸不全です。
それぞれの特徴と違いを理解することが大事になります。