リハビリテーションの場面では、自転車エルゴを使用する場面が多くあります。
患者の体力や適性に応じて適切な運動強度を設定しなければなりません。
この記事では、自転車エルゴをリハビリで使用する方法について詳しく解説しています。
この記事でわかることは
自転車エルゴメーターのメリットとデメリット
リハビリでワット数の決め方
自転車エルゴメーターのメリットとデメリットは?
メリット:
カーディオバスキュラー(心血管)トレーニング:
エルゴメーターは心肺機能を向上させるための優れたトレーニングツールです。
有酸素運動を行うことで、持久力を向上させることができます。
関節への負担軽減:
エルゴメーターは、特に膝や足関節へのストレスが軽減され、関節に問題を抱える人に適しています。
適度な負荷調整:
エルゴメーターは負荷を細かく調整できるため、適した負荷でトレーニングできます。
デメリット:
単調さ:
長時間同じ動作を繰り返すため、単調に感じられることがあります。
モチベーションを保つためには音楽やビデオなどを活用しましょう。
全身的なトレーニング不足:
エルゴメーターは主に下半身の筋肉を鍛える運動です。
全身的に鍛えたい場合は、他のトレーニングと組み合わせることが必要です。
リハビリでワット数の決め方は?
30〜50ワットの強さで行う自転車エルゴメーターは、3.5メッツの活動量があるとされており、日常生活では草むしりや階段を下りるのと同じ強さの活動となっています。
そのため、自転車エルゴメーターのワット数を確認しておくことで、日常生活での活動を考えた強さの運動を行うことができます。
自転車エルゴメーターのワットは運動の強さを示し、高い数値ほど強度が高いことを意味します。
ワット数を調整することにより、運動の負荷量や仕事率をコントロールできます。
メッツ(Metabolic Equivalent of Task)は、運動の強さを示す単位であり、安静時のエネルギー消費を基準にして活動時のエネルギー消費を比較する指標です。
メッツは日常生活における様々な動作の運動強度を評価するのに便利です。
軽い散歩や軽作業が2~3 METs、ジョギングが7 METs、スポーツや激しい運動がより高いMETs値になります。
メッツ | ワット | |
皿洗い | 1.8 | 18 |
料理・洗濯 | 2.0 | 20 |
水やり | 2.5 | 25 |
掃除機がけ | 3.3 | 33 |
草むしり | 3.5 | 35 |
階段をゆっくり上がる | 4.0 | 45 |
まとめ
自転車エルゴメーターは、リハビリテーションにおいて心肺機能の向上や関節への負担軽減、個々の体力に応じた負荷調整ができる優れたトレーニングツールです。
一方で、単調さや全身の筋肉をバランスよく鍛えられないというデメリットもあります。
リハビリで使用する際には、
30〜50ワットの強度が日常生活の草むしり
階段の上り下りに相当する3.5メッツの活動量
などその患者様に必要な運動量を考えて、
適切な運動強度を設定することが重要です。