今日は、「悪い方の肺を上にして横になる理由」について解説します。
皆さんは、例えば左側の肺に問題がある場合、どちらを向いて横になれば、サチュレーション(酸素飽和度)が上がると思いますか?
正解は、悪い方を上にします。
これにはちゃんとした理由があります。
Contents
悪い方の肺を上にすると、サチュレーションが上がる理由
ガスは、陰影のないところに入りやすいです。
血液量は、重力に従うので、下にした方に集まりやすいです。
右側に陰影がある場合、右側を下する場合 では、
右に陰影があるため、左側にガスが入りやすいです。
血液の量は、右側臥位なので、重力の関係で右側の血液量が多くなります。
左肺は、酸素は多いけど、受け取る血液が少ないです。
換気血流比が悪い状態
ガスは入りやすいが、血流が少ないため、酸素の受け渡しの効率は悪くなります。
右側に陰影がある場合、左側を下にする場合 では、
右に陰影があるため、左側にガスが入りやすいです。
血液の量は、左側臥位なので、重力の関係で左側の血液量が多くなります。
左肺は、酸素も多く、受け取る血液も多くなります
換気血流比がいい状態
ガスは入りやすく、血流も多くなります。酸素の受け渡しの効率がよくなります。
つまり、
体に渡す酸素が多い場所に、受け取る血流も多くなるため、サチュレーションが上がるのです。
まとめ
サチュレーションが上がりにくい場合は、換気と血流のバランスが悪い状態です。
換気血流比が悪い状態です。
換気血流比を良くする体位を選択することが重要です。
換気血流比とは、
単位時間あたりの肺胞換気量と血流量の比率
換気 4ℓ/分
血流 5ℓ/分
4÷5で
最も効率よくガス交換が行われている比率は、約0.8