腹筋エクササイズ トレーニング
腹筋強化には、クランチ、シットアップ、レッグレイズ、サイドベントなどが効果的です。
パワーエクササイズも有効で、筋収縮形態の交代や関節連鎖性の確認を同時に行えます。
また、トレーニングの効果を高めるためには、正しいフォームや呼吸法、適切な負荷の設定なども注意が必要です。
腹筋強化 (外層)
クランチ
筋:
腹直筋上部の求心性・遠心性収縮
方法:
股関節、膝関節を90°屈曲位とする
体を丸くするように持ち上げる。
下肢を挙上しているため骨盤が後傾し、腰椎前彎が起こりにくい。
さらに股関節屈曲角度が大きいため、股関節屈曲による代償運動は、 ほとんど起こらず、腹・ 筋だけに負荷をかけることができる。
下位腰椎の動きが生じない為、比較的腰痛の強い人でも実施可能。
起き上がるまで行うには、腰椎の屈曲角度がなかり必要。
シットアップ
筋:
初期屈曲 外腹斜筋 腹直筋上部中部の求心性・遠心性収縮
中期屈曲 腹直筋中部の求心性・遠心性収縮
後期屈曲 腹直筋下部、腸腰筋の求心性・遠心性収縮
方法:
背臥位で股、膝を曲げ、肩甲骨が床につかない状態から、腹腔内圧を高め、腹筋の緊張で起き上がり、戻ることを繰り返す。
開始肢位からの起き上がりは腹直筋の求心性収縮体幹を戻す際には 腹筋の遠心性収縮になる。
角度によって増員される筋が変化し、 浅い範囲で行う際には腹直筋上部の働きが優位となる。足を押さえると股関節の屈曲による代償が出現する。
腹直筋停止部を固定し、起き上がるにつれて腹直筋上部から求心性収縮が行われる
負荷は上肢の位置によって行い、挙上位での起き上がり動作が可能であれば、おもりの負荷を加える。
レッグレイズ
筋:
腹直筋下部線維の求心性・遠心性収縮
下肢の状態によっては股関節屈筋群
方法:
胸腰椎部を後彎位で保ち、下肢を伸ばす。
胸腰椎の後彎 肘立てにより他動的に保つ方法
腹直筋上・中部線維の等尺性収縮により保つ方法。
下肢を伸ばす 踵を引きずりながら戻す。
水平位に股関節を伸展させる。
下肢を垂直位に挙上させる。
停始部である胸郭を固定し、 下肢を挙上下降し起上部である恥骨を可動させることにより腹直筋 下部線維の求心性 遠心性収縮を図る。
股関節を水平方向に挙上させる場合、腹直筋の下部のみでなく、股関節の屈筋群に対しての遠心性収縮に対しての強化にもなるため、腰椎の前彎のコントロールに注意する。
求心性の収縮をうながす場合は、 懸垂位などによる下肢挙上の方法がある。
腹直筋下部のみの強化を促す場合に関しては、下肢を挙上し、 骨盤の後傾を行う方法が股関節屈筋群の代償を起こしにくい。
回旋
筋:
片側の外腹斜筋と体側の内腹斜筋の求心性・ 遠心性収縮。
方法:
斜回旋
運動方向上、 外腹斜筋上部、 内腹斜筋上部の求心性収縮が中心
膝横タッチ 体側の膝外側に手をタッチし静止
斜め状態起こし
斜めに起き上が起き上がり、戻ることを繰り返す。 右回旋の場合、 右内腹斜筋、左外腹斜筋を鍛える。上体を少し起こす。腹直筋の求心性収縮。
右へ体幹を回旋させる。右回旋の場合、右内腹斜筋、 左外腹斜筋の求心性収縮。
体幹を戻す 左外腹斜筋の遠心性収縮。
サイドベント
筋:
同側の内外腹斜筋に対するトレーニング
方法:
立位サイドベント
サイドベント(斜面台 or側臥位)
片手にダンベルを持ち、体を横に倒して、脇腹を鍛えるエクササイズ。
回旋代償による注意が必要。 固定状態により股関節外転、 内転が参加する。
側屈の動きで、外腹斜筋や内腹斜筋を刺激し、脇腹の引き締めに効果的。
プライオメトリック
伸張反射や弾性によるエネルギーを利用したパワー形のエクササイ ズ
ストレッチショートサイクルメカニズム
① 筋力の立ち上げ時間
いかに短い時間で大きな力を出すか。
遠心性収縮から求心性収縮に移行する瞬間に速度は0になる。
この際に等尺性収縮である程度筋力を立ち上げておくことにより。
筋力の立ち上がりに要する時間を短くする。
② 筋紡錘の伸張反射
外的な力により筋線維全体が急激に引き伸ばされると筋の中にある 筋紡錘が筋の伸張の大きさと 速さをキャッチし、Ia 神経及びII線維を経由して脊髄にインパルスをおくり脊髄から運 動神経を 経由して再びインパルスが送られ反射的に筋が収縮する。
③予備緊張
筋が引き伸ばされる前に先に筋力を立ち上げ、遠心性収縮で引き延ばされるたわみの時間が少なくし、伸張を最小限にくい止める。
④ ゴルジ腱
腱にあるゴルジ腱器官は筋線維に全体の収縮によって腱が伸張され たときに興奮し、Ib神経を経点して脊髄にインパルスをおくり、 そのインパルスが介在ニューロンを解して運動神経を抑制し筋興奮レベルを下げて、発揮筋力を低下させる。
⑤弾性エネルギーの蓄積、再利用
筋腱要素内の弾性エネルギーが急激なストレッチによって増大し、 貯蔵する。
この直後に急進性による筋活動が行われると貯蔵した弾性エネルギーが放出され、 全体として発揮される力が増大する 筋は力を出すほど硬くなるため、 筋力の高い選手は腱の方が筋よりも引き伸ばされやすい。
体幹のプライオメトリック
体幹の筋を直接ターゲットとして本来のプライオメトリックを実施 することは困難である。
若干の 腱の弾性エネルギーは貯蔵されるが、 筋活動を増強するような十分な伸張反射は引き起こされていない。
これは、伸張反射を引き起こす潜時 (反射のきっかけとなる刺激から筋活動が生じるまでの時 間)が脊髄に近いため短く過ぎることによると思われる。
エクササイズの時間を短縮し、 素早く実施することが重要となる。
方法
シットアップバス
シーテッドクランクツイストバス
ツイストランジ
サイドバス
ツイストバン
パワーエクササイズ
速度を速めることにより、 筋収縮形態としては求心性と遠心性の収縮の繰り返しで、スピードを高める事によって特に拮抗筋がブレーキの役目をする際 に強く遠心性収縮する。
さらに、以上の筋収縮形態の交代に加え、単関節筋・二関節筋の筋活動交代などのコンビネーションなども行なえ、また効率のよい関節連鎖性の確認も同時に行なうことが出来る。