身体に合う車イスの選び方は?
アームレストの高さ、座面の高さ、バックレストの高さ、座面の横幅、座面の奥行き、これらの要素を適切に設定することが重要です。
最適な座席設定を見つけましょう。
この記事のポイントは!!
アームレストの高さは肘関節を90°屈曲位の座面から肘頭までの距離を設定し、距離値から+2~3cm
バックレストの高さは座面から肩甲骨下角までの距離で設定し、計測値から-7~10cm
座面の奥行きは仙骨後面から膝窩までの距離を計測し、計測値から-5cm
座面の横幅は、両側の大転子間の距離を計測し、計測値に対して+1~2cm
車椅子の部位の名前は?
アームレストの高さは?
アームレストの高さは、座席の硬い台に座って肘関節を90°屈曲させたときの座面から肘頭までの距離を計測することが重要です。
この計測値に対して、通常は+2~3センチの余裕を持つことが望ましいです。
アームレストの高さが適切でないと、以下の問題が発生する可能性があります。
高すぎる場合:
アームレストが高すぎると、肩や腕が疲れやすくなります。
肘関節が過度に屈曲し、不快感を引き起こすことがあります。
低すぎる場合:
アームレストが低すぎると、腕がサポートされず、肘や肩への負担が増えることがあります。
適切な肘の角度が得られず、姿勢が悪化する可能性があります。
座面の高さは?
座面の高さの設定は、座っている間の快適さや姿勢維持に影響を与えます。
座面の高さを計測する際には、以下のポイントに注意することが重要です。
計測方法:
股関節と膝関節を90°屈曲させた状態で、座席から膝窩から床面までの距離を計測します。
設定の目安:
計測値に対して、通常は+5センチの余裕を持つことが推奨されています。
この余裕を持つことで、以下の利点があります。
座面が高すぎる場合:
足が浮いてしまい、床にしっかりと足をつけにくくなります。
これは安定感を失う原因となります。
座面が低すぎる場合:
起立する際に支えにくく、膝や背中に負担がかかります。
特殊な場合:
厚めのクッションを使用する場合や、足漕ぎを行う椅子を使用する場合、座面の高さをあえて低く設定することが考慮されます。
このような場合は、個々のニーズに合わせて座面の高さを調整することが大切です。
バックレスト(背もたれ)の高さは?
バックレストの高さの計測は、座面から肩甲骨下角までの距離を測定することで行います。
一般的な設定の目安として、計測値から-7~10センチの範囲で設定します。
左右の差がある場合は、通常は低い方の計測値を基準にしますが、個別の状況により異なることもあります。
以下はバックレストの高さが重要な理由と、調整に関する要点です:
バックレストが高すぎると?
肩甲骨下角が適切にサポートされない可能性があり、背中の不快感や姿勢の問題が発生することがあります。
バックレストが低すぎると?
背中全体が適切にサポートされず、腰に余分な負担がかかる可能性があります。
左右の差がある場合、バックレストの高さを均等に調整することが望ましいですが、個々の身体構造に合わせて調整することも検討されます。
座面の横幅は?
座面の横幅は、臀部の幅に合わせて設定されます。
計測は座った状態で、両側の大転子間の距離を計測することで行います。
一般的な設定の目安として、計測値に対して+1~2センチの余裕を持つことが望ましいです。
座面の横幅の設定の注意点:
横幅が狭すぎる場合、臀部が座面に圧迫される可能性があり、褥瘡のリスクが高まります。適切なサポートが提供されないため、快適さにも影響を与えます。
横幅が広すぎる場合、安定感が不足し、座った状態での姿勢が不安定になります。
座面の奥行きは?
座面の奥行きの計測は、座った状態で仙骨後面から膝窩までの距離を計測することで行います。
一般的な設定の目安として、計測値から-5センチの余裕を持つことが考えられます。
座面の奥行きを適切に設定することは、以下の点に注意が必要です:
奥行きが長すぎる場合は?
膝窩に余分な圧力がかかり、不快感や腰や膝に負担が生じる可能性があります。
奥行きが短すぎる場合は?
座った状態での姿勢が不安定になり、座りにくさや快適さに影響を及ぼすことがあります。