感覚検査
注意点
・患者の知能、意識、精神状態に異常がないか確かめておくこと
・検査には患者の協力が必要である
・患者には暗示を与えたり、誘導するようなことをしてはならない
・刺激に対しては、 感じたらすぐにどのような感じがどこにあったかを答えさ せるようにする
・患者の答えは確実に記録すること
感覚の異常
種類
感覚消失: hyp(o)esthesia
感覚消失:anesthesia
感覚過敏 :hyperesthesia
異常感覚: 自発的に生する異常な自覚的感覚
錯覚覚: 外界からの刺激とは異なって感じる他覚的感覚
①表在 superficial sensation
伝導路・・触覚 (髄路)
温痛覚 (髄視床路)
・皮膚神経分布でどの神経の支配領域かを確認する
a: 触覚 touch sensation
light touch を見る(筆・ティッシュ等)
四肢では長軸と平行に、胸部は肋骨と平行に
常に同じ長さをこする
b: 痛覚 pain sensation
・安全ピンか針で皮膚を軽くつつく
・なるべく同じ力が加わるように
・痛みが遅れて感じるのは遅発痛 delayed pain
・はじめは触っただけと感じて、2、3秒遅れて痛みを感じるのは二重感覚 double pain
*ヒベルパチー :閾値が上昇して鈍麻しているが、 閾値を越えると異常に強い不快な痛みを感じる
c: 温度覚 temperature sensation
・試験管でお湯と冷水 (湯: 40~45℃ 水: 10℃)
・接触時間は3秒程度がよい
d: 部位感覚 top (o)esthesia
・どこを刺激されたかを指ささせたり言わせたりする
②: 深部感覚 deep sensation
伝導路:脊髄の後索
a:関節覚 joint sensation
・関節がどの位置にあり(位置感覚)、 どの方向に動いたか (受動運動感覚) がわかるかどうかをみる
・位置感覚:閉眼させ、 他動的に操作し反対側で真似をさせる
・受動運動感覚:他動的に動かし、どの方向に動いたかを言わせる
b: 振動覚 vibratory sensation
・音叉を振動させ、 胸骨、 手指、足趾、 その他骨の突出部に当てる
・振動が止まったら 「ハイ」 と言わせ、 すぐに反対側、あるいは検査者自身にあて、異常がないかをみる
C: 深部痛 deep pain
・ アキレス腱やふくらはぎにどのくらいの把握で痛みを感じるかをみ る
*アキレス腱把握痛の消失=アバティー徴候
③: 複合感覚 combined sensation
・大脳皮質の頭頂葉が関係
a:2点識別覚 two-point discrimination
・皮膚に同時に与えられた2つの刺激を識別できるかどうかをみる
(2点に感じるか1点に感じるかを言わせる)
* 正常値 指尖・・・3~6mm 手掌・ 足底・・・15~20mm
手背 足背・30mm 脛骨面…40mm
b:皮膚書字試験 skin writing test
・皮膚に文字 数字などを書いて何を書いたか当てさせる
・必ず患者と同じ向きで行うこと
c: 立体認知 stereognosis
・閉眼させて、日頃よく知っているものを握らせて、 それが何かを当てさせる
・音などが出て暗示させるものは用いてはいけない
d: 2点同時刺激識別覚 double simultaneous stimulation
・ 左右の対称的2点を同時に刺激して2つの刺激が共にわかるかどう かをみる
測定結果の記載は?
皮節と皮膚の神経支配チャートを用いて記載します
参照:吉元洋一・森重康彦・千住秀明:理学療法評価法 P35,2000